親の借金が発覚!相続放棄で私が犯した致命的な3つのミス


この記事を書いた人
田中美智子(54歳・パート主婦)
親の死後、相続と実家の片付けで揉めに揉めた経験から、後悔しないための生前対策を当事者目線で発信しています。
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「親に借金なんてあるわけない」——私は父が亡くなった後、3ヶ月近くそう信じ込んでいました。
だって、父はごく普通のサラリーマンだったんです。贅沢をするタイプでもなければ、ギャンブルもしない。派手な買い物をした記憶もない。だから、まさか父に借金が残っているなんて、夢にも思っていなかったんですよね。
ところが、父の四十九日を過ぎた頃に一通の封書が届きました。差出人は聞いたこともない消費者金融の名前。中を開いた瞬間、血の気が引いたのを今でもはっきり覚えています。「被相続人〇〇殿の債務について」——父が、300万円以上の借金を抱えていたんです。※実体験に基づく個人の体験談です。金額は状況により大きく異なります。
この記事は、そこから相続放棄の手続きに追い込まれた私が、知識ゼロのまま突っ走って3つの致命的なミスを犯した実話です。あなたがもし今「相続放棄を考えているけど何をどうすればいいか分からない」という状態なら、どうか私の失敗から学んでください。
💡 この記事で解決する3つの不安
- 相続放棄の期限「3ヶ月」はいつから数えるのか
- 「放棄します」と口頭で言うだけではダメな理由
- 放棄した後にも残る「管理責任」の落とし穴
父の死後3ヶ月目に届いた「身に覚えのない督促状」
あの封書を受け取ったのは、父が亡くなってからちょうど2ヶ月半が経った頃でした。
最初は詐欺だと思ったんです。「架空請求じゃないの?」と、封筒をゴミ箱に捨てようとさえしました。でも夫に「念のため中身を見ろ」と言われて確認したら、父の実名、旧住所、契約日まで書いてある。これは本物だと分かった瞬間、台所の椅子に座り込んでしまいました。
後から分かったことなんですが、父は10年ほど前に母の入院費用の足しにするため、消費者金融から借り入れをしていたようです。毎月少しずつ返済してはいたものの、元金はほとんど減っていなかった。父は母にも、私たち兄弟にも、一言も言っていなかったんです。
正直に言うと、父に対して怒りの感情が湧きました。「なんで黙っていたの」「どうして相談してくれなかったの」と。でもそれ以上に怖かったのが、「この借金を私たちが返さなきゃいけないの?」という恐怖です。
あなたのご両親に借金がないと言い切れますか? 実は、子供に隠している借金がある親は、決して珍しくありません。
相続放棄には「3ヶ月」のタイムリミットがある(これ、本当に短い)
パニック状態のまま、その夜からスマホで検索しまくりました。「親 借金 相続」「相続 借金 払わなくていい方法」……。そこで初めて「相続放棄」という法律上の手続きの存在を知ったんです。
実はこれ、私も知らなかったんですが、相続放棄には「自分のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申し立てなければならない、という厳格な期限があります。(2026年4月現在)
「3ヶ月もあれば余裕でしょ」と思うかもしれません。でも実際にやってみると分かります——3ヶ月は恐ろしく短い。
父が亡くなった悲しみに暮れ、葬儀の段取りを済ませ、役所での手続きに追われ、ようやく遺品整理に着手したところで督促状が届いた時には、すでに2ヶ月半が過ぎていました。残された時間はたった2週間。この2週間で、必要な書類を集め、家庭裁判所に申し立てをしなきゃいけない。
ちょっと話がそれますが、友人の山田さん(仮名)は「父の死を知らなかった」パターンで、もっと悲惨な目に遭いました。10年以上絶縁状態だったお父さんが亡くなって1年後に、突然、債権者から連絡が来たそうです。絶縁していたから「死亡を知った日」は督促状が届いた日になるので、そこから3ヶ月以内に手続きする必要がある。でも、何が相続財産に含まれるかすら全く分からないまま、時間だけが過ぎていく恐怖は想像を絶するものだったそうです。
私が犯した3つの致命的なミスとその代償
振り返ると、あの混乱の中で私は3つの致命的なミスを犯しました。
1つ目は、最初の2週間を「自分で何とかしよう」と独力で動いてしまったこと。ネットの情報を頼りに、裁判所のウェブサイトから「相続放棄申述書」の書式をダウンロードし、必要書類のリストを確認し、戸籍謄本を集め始めたんです。でも、被相続人(父)の出生から死亡までの連続した戸籍を揃えるって、想像以上に手間と時間がかかるんですよね。父は転籍を2回していたので、3つの自治体から取り寄せなければならず、郵送請求だけで10日以上かかりました。
2つ目のミスが、兄に相続放棄のことをすぐに伝えなかったこと。私が放棄すれば借金の問題は解決すると思い込んでいたんです。でも大間違いでした。相続放棄をすると、相続権は次の順位の相続人に移ります。つまり私と兄の両方が放棄しなければ、兄が借金を丸ごと背負うことになる。さらに、兄弟全員が放棄したら、今度は父の兄弟(叔父や叔母)に相続権が移る。このことを知ったのは、司法書士さんに相談した後でした。
3つ目は、父の預金口座から葬儀費用を引き出してしまっていたこと。これが一番ヒヤッとしました。相続放棄をしたい場合、原則として被相続人の財産に手を付けてはいけません。手を付けた時点で「相続を承認した」とみなされ(単純承認)、放棄ができなくなる可能性があるんです。
葬儀費用については「社会通念上相当な範囲なら問題ない」とされているケースもありますが、私が引き出したのは葬儀代だけでなく、父の未払いの公共料金の支払いにも使ってしまっていた。司法書士さんに正直に告白した時、「それは微妙なラインですね……」と言われた瞬間の心臓が止まりそうな感覚は、二度と味わいたくありません。
「口で断った」だけでは放棄にならない事実
これも、恥ずかしながら私は知りませんでした。
督促状が届いた時、消費者金融の相談窓口に電話して「父は亡くなったので、借金は払いません」と伝えたんです。向こうは「それでは正式に相続放棄の手続きをしてください」と言ってきたのですが、私は「もう断ったんだからいいでしょ」と思ってしまった。
でも相続放棄は、家族や債権者に「放棄します」と口頭で伝えるだけでは法的には一切効力がないんです。必ず家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出し、裁判所から「受理通知書」をもらって初めて法的に有効になります。
兄弟同士の遺産分割協議で「兄が全部もらう代わりに借金も兄が引き受ける」と決めたとしても、それは債権者に対しては何の効力も持ちません。消費者金融は、法定相続分に応じて全ての相続人に請求できるんです。
実際に試してみましたか?——いえ、「試す」のはやめてください(笑)。間違った方法で放棄したつもりになっていると、後で本当に取り返しがつかなくなります。
放棄したら終わり?いいえ、管理責任は続くんです
なんとか期限内に家庭裁判所に申述書を提出し、無事に相続放棄が受理されました。「これでやっと終わった……」と心底安堵したのも束の間、司法書士さんからとんでもないことを告げられたんです。
「田中さん、放棄しても実家の管理責任は当面残りますよ」
えっ、と耳を疑いました。放棄したのに、まだ何か責任があるの?
法律上、相続放棄をした人でも、次の相続人(または相続財産清算人)がその財産を管理し始めるまでは、「自己の財産と同一の注意をもって」相続財産を保存する義務があるとされています。(2026年4月現在)
つまり、父の実家が空き家になっている場合、その空き家が倒壊して近隣に被害を与えたり、不法投棄の温床になったりしたら、放棄したはずの私にも責任が及ぶ可能性があるということ。
Xでも「弁護士費用210万、放棄手続き50万、庭の片付け70万がかかった」という体験談を見かけましたが、放棄した後にも費用がかかるなんて、普通は想像もしない落とし穴です。※実体験に基づく個人の体験談です。金額は状況により大きく異なります。
あなたのご実家が空き家になった場合のことを、一度想像してみてください。庭は荒れ放題、屋根は傾き、近所の方からは苦情が来る——この「負動産」の管理問題は、実家じまいの記事でも詳しく書きましたが、相続放棄でも完全には逃れられないんです。
素人判断で相続放棄すると何が起きるか——専門家の警告
※本セクションは一般的な法律・制度情報に基づいています。個別の事情については専門家へご相談ください。相続放棄は「書類を出せば終わり」と思われがちですが、実は法律的な地雷が至るところに埋まっています。私が後から司法書士さんに教えてもらった、素人が陥りやすい落とし穴を表にまとめました。
| 素人が陥りやすい落とし穴 | 専門家からの警告 |
|---|---|
| 故人の預金を引き出して使ってしまう | 法律上「単純承認」とみなされ、放棄が一切認められなくなるリスクがあります。葬儀費用でも領収書の保管は必須です。 |
| 口頭や書面(遺産分割協議)で伝えただけで安心する | それは法的な「相続放棄」ではありません。家庭裁判所への申述が唯一の正式手続きです。(2026年4月現在) |
| 自分だけ放棄して、後順位の相続人に通知しない | 放棄すると相続権は次順位(他の兄弟→親の兄弟→甥姪等)へ移ります。知らせないと、次の人がいきなり借金を背負うトラブルになります。 |
| 放棄すれば一切の責任がなくなると思い込む | 放棄後も相続財産の保存義務が残る場合があり、空き家の管理責任や不法投棄の問題が降りかかることがあります。 |
ちょっと話がそれますが、司法書士さんに「世の中で相続放棄の失敗が多いのはどういうケースですか?」と聞いたら、「圧倒的に多いのは"ネットの情報だけで自分で手続きして、単純承認に該当する行動を先にやってしまっているケース"です」とのこと。ネットの情報は体系立っていないことが多いから、拾い読みすると大事な注意点を見落とすそうです。
あの時の私に伝えたい「最初に専門家に電話しろ」
振り返って、あの時の自分に一つだけアドバイスできるとしたら、迷わずこう言います。
「督促状が届いた瞬間に、自分で何とかしようとするな。今すぐ司法書士か弁護士に電話しろ」
私は結局、期限ギリギリになって慌てて司法書士さんに相談し、なんとか間に合いました。最初から専門家に頼っていれば、戸籍の取り寄せも申述書の作成も全部お任せできたし、何より「これをやったら単純承認になるからダメ」という地雷を踏む前に教えてもらえた。
費用は3〜5万円程度で済むことが多いのに(借金の額にもよりますが)、なぜ私は最初から相談しなかったのか。「自分でやれば無料だから」というケチ心と、「弁護士とか司法書士ってハードルが高い」という先入観のせいでした。※実体験に基づく個人の体験談です。金額は状況により大きく異なります。
もしあなた、または親しい方が今まさに「相続放棄を考えないといけないかもしれない」という状況にいるなら、覚えておいてほしいことが3つだけあります。
- 3ヶ月の期限は「知った時」からカウントが始まっていて、思っている以上にあっという間に過ぎる
- 故人の財産には絶対に手を付けない(葬儀費用も含め、事前に専門家に必ず確認する)
- 自分が放棄したら次の相続人に連絡する義務がある(これを怠ると、親族間の関係が破壊される)
私がこのブログで何度も書いていることですが、相続の問題は「素人の自己判断」が一番危険です。相続で揉めた実体験の記事でも書いた通り、「うちは大丈夫」と思っている家庭ほど、いざという時にパニックになります。
私も最初は「相談だけならタダだし」と重い腰を上げただけ。でもあの一本の電話が、数百万円の借金を背負わずに済んだ分岐点になりました。
父の借金のことは、正直まだ心の中で整理がついていません。「なんで言ってくれなかったの」という気持ちは消えない。でも、一つだけ確かなのは——知らなかったでは済まないのが相続の世界だということ。
あなたとあなたの家族が、私のような目に遭わないことを、心から祈っています。
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この記事を書いた人:田中美智子
54歳、東京在住のパート主婦。3年前に父を亡くし、遺産相続と実家の片付けで大苦戦。「同じ後悔を他の人にしてほしくない」という思いで、等身大の終活情報をお届けしています。


