「うちは財産がないから大丈夫」が一番危険!相続でドロ沼の争いになる前兆と対策

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「うちは財産なんてほとんどないから、相続で揉めることなんて絶対にないよ」
もし今、あなたやご両親がそんな風に思っているなら……全力でストップをかけさせてください。 かつての私も、親戚が「うちは大した額じゃないから兄弟で適当に分けるよ」と笑っていた言葉を完全に信じ切っていました。
でも、いざ父が亡くなった後、私たち兄弟の間で待っていたのは、言葉を失うほどの泥沼の争いでした。
「誰が実家を継ぐのか」「父の最期を看病したのは誰なのか」「昔お兄ちゃんだけ大学の学費を出してもらったじゃないか」―― そんな、普段なら絶対に口にしないような古い不満や感情が、一気に噴き出してしまったんです。
実はこれ、私も後になって知った事実なんですが、家庭裁判所に持ち込まれる「遺産分割事件」のうち、約76%が「遺産総額5,000万円以下」のいわゆる一般家庭のケースだそうです(裁判所「司法統計」より)。
お金持ちのドロドロの争いはテレビドラマの中のお話しだけ。現実は、普通の家ほどちょっとしたお金や実家という「分けにくい財産」を巡って、骨肉の争いが起きるんです。
今回は、3年前に父を亡くし、兄弟間で修復不可能なほど揉めてしまった私の大失敗談と、今だからこそ分かる「元気なうちに絶対にやっておくべき相続対策」についてお話しします。
私の失敗談:実家という「分けられない財産」の罠
父が亡くなったとき、主な遺産は「実家(持ち家と土地)」と「数百万円の預金」だけでした。まさに、日本のどこにでもあるごく普通の家庭です。
父に遺言書は一切なく、「まあ、家は兄貴が継いで、残った現金を少し私と弟で分ければいいか」と軽く考えていました。しかし、現実はそう甘くありませんでした。
突如として始まった「過去の清算」
話し合いの席で、兄が「家は俺がもらい受けるから、現金は葬儀代などで相殺しよう。お前たちには渡すものはない」と言い出したんです。 私は思わずカチンと来てしまいました。 「ちょっと待ってよ!私はこの2年間、お父さんの病院の付き添いや介護をずっと一人でやってきたのに!週末に顔を数回出しただけのお兄ちゃんが家も現金も全部持っていくの?」
一方、弟は「そもそも何年も前に、お兄ちゃんだけ家を建てる時に頭金を援助してもらってたじゃないか」と言い出します。
そこからはもう、お互いの過去の不満や妬み、介護の苦労のぶつけ合いです。法事の席は完全に冷え切り、「もう縁を切る」というところまで発展してしまいました。
なぜ一般家庭ほど相続で揉めるのか?
弁護士や司法書士の先生のお話を聞くと、一般家庭が揉めやすいのには明確な理由があるそうです。それは、「分ける財産が現金化しにくい」からです。
例えば、遺産が「現金だけ1,000万円」であれば、「お兄ちゃん500万、私250万、弟250万でいいよね」と電卓を叩いて綺麗に分けられます。 しかし、大半の家庭は「1,000万円の実家」と「現金が200万」というような構成です。これでは均等に分けることができません。
「じゃあ実家を売って現金を分けよう」と思っても、例えば実家にまだ高齢のお母さんが住んでいたりすると、追い出すわけにもいきませんよね。(実家の片付けトラブルも本当に精神的にしんどい作業です。これについては こちらの記事(実家の片付け・生前整理について) をご覧ください)
そこに「あの時お前だけ援助を受けていた」「私のほうが介護を頑張った」という感情的な問題が絡み合うことで、あっという間に「お金の問題」から「愛情の重さの確認作業」へとすり替わってしまうんです。これが、相続争いの最も恐ろしい正体です。
親が元気なうちにやっておくべき絶対に揉めない3つの対策
もしあなたが「親族と縁を切りたくない」「円満に話し合いたい」と思うなら、親が生きている・元気な今しかできないことがあります。
1. 財産目録をリストアップする
親に「どの銀行に口座があるのか」「生命保険はどこに加入しているのか」「借金やローンはないか」を紙に書き出してもらってください。 遺言書のような法的な効力がなくても、ただのリストがあるだけで「何がどれくらいあるのか」という話し合いの土台ができます。親族が疑心暗鬼になる最大の理由は「もしかして〇〇兄ちゃんが、お父さんの現金を隠しているのでは?」という不明瞭さから来るからです。
2. 生前の贈与や援助を「見える化」する
もし過去に、特定の兄弟だけが家を建てる援助を受けていたり、留学費用を出してもらったりしていたら、それも正直に書き出しておきましょう。これは専門用語で「特別受益」と言いますが、こうしたプラスの部分を全員が共有しておかないと、いざという時に爆発します。
3. 法的効力のある「遺言書」を残してもらう
これが圧倒的に一番強い対策です。「これは誰に渡してほしい」「こういう思いで配分を決めた」と、親自身の口から、あるいは直筆の遺言書として残してもらえれば、子どもたちはそれに従うしかありません(もちろん一定の取り分=遺留分というルールはありますが)。
ただ、「遺言書を書いてくれ」と子どもから言うのはものすごくハードルが高いですよね。 そんな時は、まずは無料でもらえるエンディングノートをプレゼントして、自分の半生を振り返る軽い感覚で始めてもらうのがおすすめです。(遺言書の書き方やエンディングノートの始め方については、こちらの記事 でも詳しく解説しています!)
どうしても話し合いが進まない時・不安な時はどうする?
「親が全く聞く耳を持たない」「すでに兄弟間でちょっとギスギスしている部分があって、自分たちだけではどうにもならない」……。
もしそんな状況であれば、問題が泥沼化する前に、相続に強いプロ(司法書士や弁護士)に一度「第三者として」話を聞いてもらうことを強くお勧めします。
素人同士で法律やお金の話をすると、どうしても感情論になってしまいます。「法律の専門家はこう言っている」という客観的な意見が一つあるだけで、嘘のように話し合いがスムーズに進むことが多いのです。
相談するだけで「うちはこういうリスクがあるんだ」「こういう遺言書を書いてもらえば安心なんだ」という道筋が見え、心のモヤモヤがすっと晴れるはずです。
まとめ:相続は「親の最後のメッセージ」
よく、「相続争い(争族)」という言葉を聞きますが、親は子どもたちに争ってほしくて遺産を残すわけではありません。
私たち子どもが、親の残してくれた形見や財産を巡って罵り合う姿なんて、お父さんやお母さんは絶対に見たくないはずです。「遺言書」や「財産目録」を作るのは、決して縁起の悪い死に支度ではなく、残された大切な家族を「争い」から守るための最後で最大の愛情表現なんだと、私は思います。
今度の週末、ご両親とお茶を飲みながら、少しだけ「これからのこと」について言葉を交わしてみませんか? 私のこの痛い失敗談が、皆さんのご家族の円満な未来につながることを心から願っています。

この記事を書いた人:田中美智子
54歳、東京在住のパート主婦。3年前に父を亡くし、遺産相続と実家の片付けで大苦戦。「同じ後悔を他の人にしてほしくない」という思いで、等身大の終活情報をお届けしています。