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親のスマホが開けない!恐怖の「デジタル遺品」と今日からできる3つの対策

公開日: 2026-04-01 (2026-04-01 更新)
この記事を書いた人: 田中美智子
親のスマホが開けない!恐怖の「デジタル遺品」と今日からできる3つの対策
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先日、テレビの特集番組を見ていて背筋が凍るような思いをしました。 「遺族が故人のスマホのパスワードを解除できず、ネット銀行の残高が引き出せなくて泣き寝入りした」というニュースです。

近年、この「デジタル遺品」に関するトラブルが急増しています。

3年前に父を亡くした私も、実はこのデジタル問題で大変な苦労をしました。 父のスマホの画面に表示された「パスコードを入力してください」の文字。何度となく「0000」や父の誕生日を入力しても弾かれ、「あと数回間違えるとデータが初期化されます」と警告が出た時の、あの心臓が止まるような焦りは今でも忘れられません。

親世代は「私はスマホなんて通話とLINEくらいしか使っていないから大丈夫」と思い込んでいます。でも、現実には大量の「見えない爆弾」がスマホの中に眠っているのです。

今回は、私たちが絶対に知っておくべき「デジタル遺品の恐怖」と、親が元気なうちにやっておくべきたった3つの対策についてお話しします。

親のスマホが開けないと何が起こるのか?

そもそも、なぜ親のスマホが開けないと困るのでしょうか。ガラケー時代なら「誰かの連絡先が分からない」程度の不便さでしたが、今の時代はまったく違います。

1. ネット銀行・ネット証券の「見えない資産」が闇に葬られる

私にとって一番恐ろしかったのがこれです。通帳や印鑑が手元になく、スマホアプリからしか残高確認ができない「ネット銀行」や「ネット証券」。 パスワードが分からないと、そもそもそこに『財産が存在すること自体』に遺族が一生気付けない可能性があります。もし数百万単位の資産があっても、そのまま放置されてしまうのです。(相続全体の話については、こちらの記事 でもお話ししています)

2. 有料サブスクリプションの「死後の引き落とし地獄」

動画配信サービス(Netflix等)、音楽アプリ、有料のニュースサイトなど。本人が亡くなった後も、クレジットカードの解約手続きやサービスの利用停止をしない限り、毎月延々と料金が引き落とされ続けます。遺族がそれに気づくのは、数ヶ月後に届いたカードの明細を見た時……というのはよくある話です。

3. 親の恥ずかしいデータやSNSの炎上リスク

親は見られたくない写真やメッセージを保存しているかもしれません。逆に、親のSNSアカウント(XやFacebook)がそのまま放置され、悪意のある業者に乗っ取られてスパム投稿を繰り返す「ゾンビアカウント」になってしまうリスクもあります。

絶対にやってはダメ!デジタル終活のNG行動

では、デジタル機器のパスワードをどう管理すればいいのでしょうか。ここで「よくある間違った管理法」をお伝えします。

🚨 NG行動1:「スマホのメモ帳にパスワードを書いている」

親世代に最も多いのがこれです。「忘れないようにスマホのメモ帳アプリに全部書いてるわよ」と言う親は多いですが、そもそも**「スマホ本体を開くパスワード」が分からなければ、そのメモ帳すら絶対に見ることができません**。

🚨 NG行動2:「簡単な暗証番号で統一する」

「0000」や「誕生日(1122等)」などを全ての銀行やアプリのパスワードで使い回すのは、セキュリティ上あまりにも危険です。(実際、私の知人は親の暗証番号を色々試していたら、見事にロックされて初期化の憂き目に遭いました)

今すぐできる!親子のデジタル終活「3つの対策」

親の自尊心を傷つけず、かつ安全にデジタル終活を進めるための対策を3つご紹介します。

対策1:一番大事な「スマホのロック解除番号」だけは紙に書く!

「銀行のパスワードまで全部教えてもらう」のは親も抵抗がありますし、教えるべきではありません。(詐欺のリスクがあるため) 最低限、**「スマホ本体(画面)のロック解除パスワード(通常4〜6桁の数字)」だけは、エンディングノートなど「紙のアナログな媒体」に必ず書いて残してもらってください。**スマホさえ開くことができれば、そこからメール履歴を追って銀行やサービスの目星をつけることができます。(エンディングノートにパスワードをまとめることもできます。こちらの記事を参照ください)

対策2:指紋認証・顔認証の過信をやめる

「うちは指紋認証(顔認証)にしてるから大丈夫」という方もいますが、亡くなった後の指では認証されないケースがほとんどです(体温や血流の変化によるものなど)。最終的には必ず「数字のパスコード」が求められるということを親に伝えておきましょう。

対策3:自分自身の「パスワード管理アプリ」を導入する

親の心配も大切ですが、私たち50代・60代のパスワード管理は大丈夫でしょうか? 私自身、数十個のサイトのパスワードをエクセルで管理していましたが、「エクセルのファイルパスワード」を忘れてパニックになったことがあります。 今は「家族間でパスワードを安全に共有できる機能」がついているパスワード管理アプリを使うのが主流です。

1Passwordなどの信頼できるパスワード管理アプリを使えば、強固なセキュリティでIDやパスワードを一元管理できる上、家族間でのパスワードの安全な受け渡しも可能になります。

読者から寄せられた質問(Q&A)

Q. 万が一、パスワードがわからずロックされてしまったらどうなりますか? A. 最近のiPhoneなどはセキュリティが極めて強固です。アップルに死亡診断書などを提出して「初期化」することは可能ですが、中の写真やデータは「すべて消去」されるのが大前提です。「中身を取り出してもらう」ことは原則不可能です。

Q. デジタル遺品整理業者というのがあると聞きましたが。 A. 確かに存在しますが、パスワードの解除は絶対にできるとは限りませんし、数十万円という高額な費用がかかるケースが多いです。やはり生前の予防に勝るものはありません。

スマホは「記憶と財産のブラックボックス」

「自分には財産なんてないから、デジタル終活なんて関係ない」。 そう笑っていた親のスマホの中に、実は家族との大切な思い出の写真や、知られざる交友関係、そして少しばかりのネット銀行の定期預金が眠っているかもしれません。

「お母さん、もしもの時にあの美味しいハンバーグのレシピや、お父さんとの旅行の動画が見れなくなったら寂しいから、スマホの開け方だけメモしておいてよ」

そんな風に、愛情を込めたアプローチで、親の「デジタルの鍵」を確実につないでいってくださいね。 私と同じように、真っ暗なスマホの画面の前で途方に暮れる人が、これ以上増えないことを心から祈っています。

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田中美智子

この記事を書いた人:田中美智子

54歳、東京在住のパート主婦。3年前に父を亡くし、遺産相続と実家の片付けで大苦戦。「同じ後悔を他の人にしてほしくない」という思いで、等身大の終活情報をお届けしています。